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法人向けサービス事例紹介

全日空システム企画株式会社 2007年度

自ら考え行動する
カリキュラムを通じて新入社員を
「真のプロ」に導く研修を実施


全日空システム企画株式会社

全日空システム企画株式会社 (以下: ASP) は、1986 (昭和61) 年、全日空の国際定期便就航を機に設立されました。以来、全日空の高品質なサービスや安全・定時運航など、航空基幹業務を担うシステムの開発~保守~運用を推進。同時に広く全日空グループ各社のIT 戦略を支え続けてきた存在です。社会基盤的システムに携わる責任と高度な技術が求められる同社は、自ら考え行動する自律的な人財育成を目指し、グローバル ナレッジネットワーク株式会社 (以下: グローバルナレッジ) の新入社員研修プラン『NEW TRAIN』を導入し、3 ヶ月にわたる研修を実施。確かな成果をあげました。


   全日空システム企画株式会社
本社概観
本社概観


全日空システム企画株式会社
所在地
本社
東京都大田区羽田空港 3-5-10
ユーティリティセンタービル
設立
1986年8月
代表者
植村 公夫
資本金
52,500,000円
事業内容
①コンサルティング ②システムインテグレーションサービス ③受託ソフトウェア開発 ④ ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ) ⑤情報システム保守運用サービス ⑥ソフトウェアプロダクト仕入販売
 URL  http://www.asp-kk.co.jp/ 
※2009年10月現在

  ASP の課題
  • プロ意識の醸成、およびSE に求められる人的資質の向上。
  • ミッションクリティカルなシステム構築を担う人財の早期育成。
  ASP とグローバルナレッジのソリューション
  • 日次ミーティングで、一人ひとりの状況把握と対策を推進。
  • 2 回のシステム構築演習で、仕事の流れやコミュニケーション能力、チームワークを体感的に修得させる。
  効果と展望
  • 業務分析や要件定義など、上流プロセスまで意識したシステム化を実現。
  • 渉外能力やプレゼンテーション能力など、SE としてより高度なステップを修得。
 
エアラインの安全と
信頼を支える存在として

総務部 人材開発チームリーダー 本道 計典 氏
総務部
人材開発チームリーダー
本道 計典 氏
  多くの旅客を運ぶ航空機にとって、安全かつ正確な定時運航は第一の優先事項であり、それを支えるコンピュータシステムは寸断すら許されない、文字通りミッションクリティカルな存在です。ASPは今日まで、旅客系・運航系・整備系・乗務員系など、全日空の運航と高品質なサービスを支える幅広いシステムの開発~保守~運用を担ってきました。
  同社は国内外に広がる大規模なネットワークの下、まさに24 時間・365 日、大量のデータを高速かつ安定的・効率的に処理するコンティニュアス・コンピューティングを実現してきました。メインフレームベースの基幹システムから、最新Web 技術を駆使した情報系システムに至るまで、ASP は高い信頼性を保証する技術力を基盤に、全日空およびそのグループ企業の顧客満足度向上をバックから支え続けているのです。
  そんな同社の活動を支える人財の採用ポリシーについて、総務部 人材開発チームリーダーの本道計典氏はこう語ります。
  「新卒採用に際して、私たちが重視しているポイントは3 つあります。すなわち、1.資質、2.対人能力、そして3.問題解決能力です。ご存じのように、システム開発は一人でできる仕事ではありません。一方、技術や知識は入社後にいくらでも身に付けることができます。だからこそ、知識やスキル以前に人間性を重視しているのです」
  実際、ASPは以前から、狭義の文系/理系という枠にとらわれることなく、顧客の業務やその問題点を理解し、要件をロジカルにとらえることができるか否かにフォーカスしたポテンシャルを重視した採用を実施。優秀なSEとして育ててきました。
  「新人教育は、出身学部やプログラミング経験の有無にかかわらずゼロベースでスタートしますが、ある程度の全体的な意識のすり合わせは必要です。そこで、内定者には『SE とは何か』を解説した書籍と『基本情報技術者』試験合格を目指したワークブック教材を配布し、書籍の感想文は9 月末に、ワークブックは4 月1 日の入社式に提出してもらうことにしています。感想文については、私たち人材開発チームはもちろん、役員も逐一積極的に目を通し、各自の意識や理解度の把握に努めています」
 

人財教育を
投資としてとらえる


実習風景(上)と成果発表会
実習風景(上)と成果発表会
  そして2006 年秋、次年度の新入社員教育に先立って8 社の教育ベンダーに声をかけました。ここではあえて、ASP からRFP (Request For Proposal: 提案依頼書) を出さず、各社から自由な提案を募りました。というのも、「依頼に基づいた横並びの提案ばかりが揃い、結局、最後は価格で選ぶという事態を避けたかったからです」と本道氏。
  「私たちは、教育費をコストではなく『人財を育てるための投資』としてとらえています。そこでパートナー選定に際しても、価格ではなく内容本位で選びたかったのです」
  情報システム企業は、工場や生産設備を保有する装置産業ではありません。だからこそ、まさに人こそが財産である、というのが同社の人財観なのです。
  「グローバルナレッジの提案で驚いたのは、その提案書の分厚さでした。活動内容や狙い、到達目標までがなんと日次で詳細に記されていたのです。また『研修期間の3ヶ月間は毎日17:30 ~ 18:00 にミーティングを行いますので必ず参加してください』と私たち人材開発チームに対する要望もありました」 (本道氏)
  この毎日のミーティングは、受講者一人ひとりの進捗をチェックし、万一遅れがあればその日のうちに解決や方針の修正を図って、受講者間に大きな習熟度のバラツキが生まれないようにしたい、という理由によるものです。また、今回は新人42 名とANA からの出向者2 名の合計44 名という受講者数の多さから2 クラス編成の研修となったため、クラス間の格差が生じないようにしたい、という思いもありました。
  「グローバルナレッジの熱心さに『本気だな!』と実感し、新入社員教育研修『NEW TRAIN』に基づくプログラムの採用を決定しました。実際、金額ベースでは前年をかなり上回る結果となりましたが『それ以上のパフォーマンスが期待できます』とトップを説得しました (笑) 」 (本道氏)
 

プロとしての基本動作
修得を目指して


  また今回の研修では、毎朝2 名の新人が、前日の研修内容を手短にまとめて全員の前でプレゼンテーションする『朝レビュー』を実施しました。
  「発表者からすればプレッシャーもあったと思いますが、自分の言葉で他者に説明するというプロセスを通じて、自身の理解度も一層深まります。また、朝レビューに指名された者に対しては『課題を家に持ち帰らないこと』を徹底させました。その結果、多くの者が遅くまで居残ったり、早朝出てきたりしました。これは、資料やデータの持ち出し防止というセキュリティ思想の徹底、納期を厳守する基本姿勢、そしてミッションを遂行するモラールの徹底など、SE としての基本動作を体得してもらう上でも効果があったと思います」 (本道氏)
  さらに教育期間中は受講者に毎日の日報提出を課しました。各自の日報はグローバルナレッジの講師がチェックして寸評を記し、また人材開発チームも必ず目を通すようにしていました。講師や人材開発チームからすれば一人ひとりの進捗状況や意識の把握ができますし、受講者たちにとっては自己の目標管理の指針として役立ったと思います。
  「私たちが教育を投資としてとらえているのと同様に、新人たちにも『お金をもらう= プロフェッショナル』としての意識を強く持つことで、学生気分からの脱却を図ってもらいたいと考えました」と本道氏は語ります。また、真の知識は経験を通じてこそ獲得できるというポリシーの下、座学よりも実習に重点を置いた教育を、というのがASP の方針でもありました。
  「私たちの仕事は、システムというモノづくりを進めることです。自ら手を動かしてシステムを組んで検証を行い、その成果を自分の眼で確かめる。そんな体験を通じて、仕事の面白さや重さを体感してもらいたいのです」 (本道氏)
 

自ら判断し動く姿勢を
貫いてほしい


  以上の方針の下、最後は少人数のグループに分かれて実際のプログラムを組み、その成果物のプレゼンテーションをするシステム構築演習 (2 回) を実施しました。内定時にグローバルナレッジの提案に盛り込まれていた適性診断を実行しているため、講師側は各自のモチベーションやストレス耐性、コンピテンシーなどについては概ね把握していましたが、グループ内の役割については講師による指名ではなく、受講者たち自らが選び合う形をとりました。また、負荷配分や線表の引き方なども、あえて本人たちに決めさせています。
  「システム開発という仕事は、それを担うSE の人的資質に負うところの大きい、極めてヒューマンな仕事です。また、プロジェクトを構成する全スタッフの相互協力や信頼関係が基本となるので、何ごとも自分たちで決める習慣を身に付けてほしかったのです。また、わからないことをすぐ誰かに聞くのではなく、まず自分で調べる姿勢を学んでほしいと思いました」 (本道氏)
  社会インフラとして活用し続けられるミッションクリティカルなシステムを担う同社では、きちんとドキュメントを残す姿勢を徹底しています。そこで実習でも、ドキュメントや議事録は実際にASPの現場で使われているフォーマットを使用。受講者たちは構築技術や協調姿勢とともに、不明点を残さず後からブラックボックスが生じない記録の採り方、残し方を学びました。


図1 NEW TRAIN の概要と流れ

図1 NEW TRAIN の概要と流れ



図2 NEW TRAIN の各種サービスの目的と内容(抜粋)

図2 NEW TRAIN の各種サービスの目的と内容(抜粋)
 

新人たちの著しい
成長に高い評価


  「種明かしをすると、社員管理システムをつくる第1 回目のシステム構築演習では、納期や要求機能など、かなり高めのハードルを課して失敗させる。そして、その反省に基づいて体勢を立て直し、2 回目の演習で成功体験をしてもらおうと目論んでいました。ところが、各グループとも最初の演習で課題をほぼクリアしてしまったのです。これは私たちとしても嬉しい誤算でした。そこで2 回目の演習では研修レベルを上方修正し、Web のECサイト上に書籍販売システムをつくるという設定で、ビジネス課題のヒヤリングや要件定義など、さらに高度な上流工程からのアクションを組み入れたものにしました」 (本道氏)
  2 回目の演習でも、各グループは確かな実績をあげました。システム構築演習の成果をお披露目する発表会には、役員をはじめ各部からも部長以下、入社2 ~ 3年目の先輩社員たちが大勢で参加。総勢約200 人のギャラリーを迎える盛況を呈しました。
  「例年、発表会では、先輩社員たちが現場目線による愛のムチで、新人たちのプログラムの『穴』を指摘するのが恒例になっています。ところが、今回は新人たちが冒頭から、想定上のクライアントである書店のビジネス課題やその解決策、さらにシステムの費用対効果など、より実業務に寄ったアップストリームからの視点でプレゼンテーションを行ってきたのです。これには、手ぐすねを引いていた先輩たちも、『とても新人の発表会とは思えない』と驚嘆。部長や役員からも、3ヶ月間の目覚しい成長が評価されました」 (本道氏)
  ASP では、今回の新人研修の成果を踏まえ、新人たちがさらに早く一人前のプロとして巣立つための支援策を強化していきたい、としています。本道氏はその決意を以下のように語ってくれました。
  「本来の教育は自分のコピーをつくるのではなく、自分を越える優れた後進を育てるものでなければいけません。そんな視点で、さらにASP らしい教育のあり方を追求していきたいと思います」
  グローバルナレッジはその哲学に応え、優れたプロの人財を育てるための最適解を導くお手伝いをしていきたいと考えています。


 

猪狩 健治 グローバルナレッジ ソリューション本部 ビジネス推進グループ 技術教育エンジニア プロジェクトマネージャ
■ 研修を終えて ■
  「自ら学ぶ姿勢を基本に、技術力や知識とともに、業務遂行に必須のヒューマンスキルの基盤形成に注力しよう」というASP 様の新入社員教育方針は、私たちの『NEW TRAIN』が目指すものと見事に合致していました。当社のコンセプトや講師陣の熱意をご理解いただき、高い信頼性が求められるエアラインシステムの構築を担う人財育成を目指して、私たちと二人三脚で「あるべき姿」を追求しながらカリキュラムを築き上げていったことが、予想を上回る効果に結実したと考えています。次年度以降の研修のさらなるブラッシュアップや、現場体験を経た後のフォローアップ研修のあり方などを含め、今後とも何なりとご相談いただきたいと思っております。

猪狩 健治
グローバルナレッジ ソリューション本部
ビジネス推進グループ 技術教育エンジニア
プロジェクトマネージャ

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