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法人向けサービス事例紹介

デル株式会社 2007年度

実践的・体系的に体得する研修で
カスタマーセンターを支える
セールス・レップの提案力を強化


デル株式会社

デル株式会社(以下:デル)は、メモリやHDDの容量、ドライブの種類など、顧客が求めるPCの構成を指定してオーダーすることができるBTO(Build to Order)による独自のダイレクト・モデルを展開。「デル・モデル」として知られる24 時間・年中無休のきめ細かなサポートは、広く市場の支持を集めています。同社は、本社のある川崎と中国・大連に設置されたカスタマーセンターに続き、宮崎に新たなカスタマーセンターを新設。そこで、提案力・コンサルティング力のあるセールスの人財育成により、顧客本位の対応力を強化すべく、グローバルナレッジを教育パートナーとして指名しました。
本社外観


宮崎カスタマーセンター
宮崎カスタマーセンター


デル株式会社
所在地
本社
神奈川県川崎市幸区堀川町580番地
ソリッドスクエア東館20F

宮崎カスタマーセンター
宮崎市橘通東4 -8 -1 カリーノ宮崎
設立
1989年6月
代表者
ジム・メリット
資本金
300,000,500円
事業内容
パーソナルコンピュータおよび周辺機器の製造、販売ならびにそれに付帯する一切の事業
 URL  http://www.dell.com/jp 
※2007年4月現在

  デルの課題
  • 新規に設立されたカスタマーセンターにほぼ同時期に入社した人財に対し、顧客対応の王道を体系的に再把握させ「スキルの底上げ」を図る。
  デルとグローバルナレッジのソリューション
  • 実務を通じた研修法(アクション・ラーニング)を導入し、業務のあるべき姿を「体感」させながらスキルアップを図る。 「研修~実務~フォローアップ研修」を継続して行うことにより研修内容の反芻と咀嚼を促進
  効果と展望
  • セールス・レップ(Sales Representative:営業職)としてのモチベーションアップを実現。顧客優位の姿勢が一層強化され、 カスタマーセンター内の士気も高揚



市場ニーズの拡大に応えて
新たなカスタマーセンターを構想

日本ホーム&ビジネスセールス本部 宮崎カスタマーセンター トレーニンググループ本部長 三邉 祥一 氏
日本ホーム&
ビジネスセールス本部
宮崎カスタマーセンター
トレーニンググループ
本部長
三邉 祥一 氏
  デルでは、恒常的な市場シェアの拡大に伴って電話コールも急増していました。そこでセールス・サポート拠点の強化を図ることで、ますます多様化する市場ニーズへの対応能力増強を進めて、顧客満足度をさらに向上させたいと構想。従業員数400名以下の中堅・中小企業及び個人顧客を対象とした営業と法人向け製品のテクニカル・サポートを担う新カスタマーセンターの設置を計画。その用地検討を開始しました。
  デルの日本ホーム&ビジネスセールス本部宮崎カスタマーセンタートレーニンググループ本部長三邉祥一氏は、「新拠点の立地決定に際しては、まずリテラシーの高い人財確保が容易であること。次に自治体や地域の協力体制が整っていること。さらに、電車などの公共交通機関の運営時間に縛られず、24時間体制で対応できる立地であること、などを考慮しました」と語ります。
  「当社のカスタマーセンターの営業担当者は、単なるご注文承り役ではなく、お客様のご要望を伺いながら、ご満足いただけるPCのスペックや構成をご提案する役割を担っています。したがって、オペレーターではなく、『セールス・レップ(SalesRepresentative)』と呼んでいるのです。その意味からも、ホスピタリティが高い宮崎の県民性が大きな判断材料となりました」
 

宮崎の特性を最大限に生かし
地域活性化にも貢献


宮崎カスタマーセンター業務風景
宮崎カスタマーセンター業務風景
  宮崎カスタマーセンターは、JR 宮崎駅に近い商業ビル「カリーノ宮崎」に設置され、2005(平成17)年11月17日に業務を開始しました。当初、数十人でスタートしたカスタマーセンターは、ビジネス展開に合わせて陣容を拡大し、2006年2月現在、約450名体制になっています。宮崎県出身者を中心とした人財を正社員採用することで、デルが求めるモラールとロイヤリティの高さを確保しました。また同センターは、ドーナツ化傾向にあった宮崎市内の商業ビルを活用することで、雇用拡大と同時に都市再生にも貢献しました。ちなみに、同カスタマーセンターは上記のような「地域社会や環境への配慮や貢献」「従業員が働きやすい快適なオフィス設計、セキュリティシステムの充実」などの総合的な評価によって、2006年8月8日、「第19回日経ニューオフィス賞」の「九州ニューオフィス奨励賞」を受賞しました。
  新設したカスタマーセンターでは、現地採用のために、セールス・レップたちがすべて新人であり、ゼロベースからのスタートを切らなければならなかったのです。さらに既存のカスタマーセンターのように「先輩をお手本にしながら成長する」という構造が生まれにくい、という悩みもありました。三邉氏はそんな人財トレーニングに対する基本スタンスを、こう語ります。
  「先ほども申し上げたように、お客様ごとにPCの使い方を伺い、その中からそれぞれに最適な仕様やオプションのあり方を築いていくセールス・レップは、極めてコンサルティング的色彩の濃い仕事です。また、顔が見えない電話応対という性質上、言葉遣いや声の印象など、お客様と直接お会いする営業以上に細かな気配りが必要になってきます。そこで、お客様のアドバイザー役としての話し方の指導に気を使いました。また、コールを受けた時点と締めくくる時点で『カスタマーセンターの○○です/○○が承りました』と名乗ること、お客様をお名前でお呼びすることなど、基本姿勢の徹底を図りました。そうしたものの中から確実にお客様の心をつかむ言葉を弊社では『マジックワード』と呼んでいますが、それらの言葉など宮崎の成果を川崎にフィードバックすることでナレッジを共有しています」
 

客観的かつ体系的な視点で
教育成果をナレッジ化したい


日本ホーム&ビジネスセールス本部 宮崎カスタマーセンター トレーニンググループアシスタントマネージャー 馬場 勇輔 氏
日本ホーム&
ビジネスセールス本部
宮崎カスタマーセンター
トレーニンググループ
アシスタントマネージャー
馬場 勇輔 氏

  技術進歩が速く、製品ライフサイクルも短いことから、マニュアルやテキストなどの作成が難しいこと、また、業務の性格上、集合教育によるまとまった育成時間がとりにくい、などの問題点もありました。宮崎カスタマーセンターで教育最前線を担ってきたトレーニンググループアシスタントマネージャー馬場勇輔氏は、こう指摘します。
  「当カスタマーセンターでは、ビジネスの拡大と歩調を合わせながら、高頻度で人財採用を進めてきました。これまでも研修やイントラネット上でのeラーニング、OJTなどあらゆる機会を通じて、人財育成を行ってきましたが、一旦外部の教育機関などによる客観的な視点でロジカルにとらえ直し、体系立てて再整理することが必要だと考えたのです」
  そこで、外部の教育パートナー選定を進めました。
  「まず、確固としたITのバックグラウンドがあることが必須条件でした。また実業務を圧迫することのないように、トレーニングのコマ数を増やして、少人数で講習を実施してくれること。さらに、当社のビジネスに即して講習内容を圧縮し、短期間で高密度の研修が実施できること、などを基軸にパートナーを吟味しました。それらの要望に最も迅速かつ的確に対応してくださったため、グローバルナレッジを指名したのです」(三邉氏)
 

アクションを基盤と
した演習と実務を挟んだ反復が効を奏す


  カスタマーセンターの業務にフォーカスした「インバウンドSales on Phone 研修」は業務に支障のないように、10人単位で午前/午後それぞれ3.5 時間ずつのクラスを設置しました。「聴き方」をテーマとした第1回目の研修では、実際にお客様から寄せられた問い合わせに即して、個人別ロールプレイングと現状分析からスタートしました。次いでお客様の声に耳を傾け、どのように対応し問いを投げ返せばいいのか、内容をいかに的確に把握しお客様の感情を理解するかなど、実戦的なカリキュラムが盛り込まれました。最後に講義内容を踏まえて「聴き方」を意識しながら、ひとりひとりが再度お客様の問い合わせへの対応の演習を実施。今後の実務の中で留意すべき「セルフ・チェックポイント」リストが作成されました。
  「各自がある程度の実務経験を積んでから研修に参加したことが、よい結果を生みました。つまり、実習や講義内容を自分の仕事に照らし合わせて把握することができたのです。また座学だけでなく、実際のアクションを通じた演習中心の研修のおかげで、より深い理解が得られたのではないかと思います」(馬場氏)
  受講者は、第1回目の講義の後1ヶ月間、再度現場でOJTを重ねることで、実務を通じてスキルを確実に体得し、さらに問題意識を持つようになりました。その成果を基盤として、2回目の研修を受けました。
  1回目の「聴き方」を受けて、2回目のテーマは「話し方」。第1回目の研修後のOJTを再検証し、その達成度や獲得度をチェックし、足りない点があればその要因を確認します。さらに、論理的な意思の伝え方など、電話の向こう側にいらっしゃるお客様にわかりやすく受け入れられやすい話し方を学びました。ここでも、身をもって学ぶ姿勢が尊重され、講義の後で各自が具体的な場面を想定した演習を実施。ひとりひとりが留意点や克服ポイントをチェックして、それらをリストにまとめました。
  「アクション・ラーニングのおかげで、実践力を養うことができました。また『研修~実務~フォローアップ研修』という反復の中で、学ぶことの意義を実務の中で反芻しながら、より深く再認識することができました」(三邉氏)
  実際、研修受講者のアンケートにも「自己の対応やウィークポイントを、改めて見つめ直すよい機会だった」「わかりやすく即実行できる内容だったので、すぐに現場で役立つ」といった声が多く寄せられ、大半の人たちが「次の研修が楽しみ」と答えています。3.5 時間に圧縮された研修は、密度の濃いものとなりました。今回の講習内容の検討に際しては、デルが社内の教育経験の中で培ったノウハウや実績から具体的な要求が出されましたが、それも今回の成功の大きな要因だったのです。

「インバウンドSales on Phone研修」受講者のアンケート結果
「インバウンドSales on Phone研修」
受講者のアンケート結果

「インバウンドSales on Phone研修」のタイムテーブル(2日間)
「インバウンドSales on Phone研修」の
タイムテーブル(2日間)
 
体制と環境整備の両面から
さらに研修効果のマキシマイズを目指す


  セールス・レップ自身が、職場に満足していなければ、お客様に最高の応対をすることはできません。デルは、CSを支える「ES(Employee Satisfaction)」にも注力。あらゆる機会を通じて、仕事に対するプライド形成と動機づけを支援しています。
  「デルは全世界で『人の成長なくして、企業の成長なし』という企業哲学を堅持しています。たとえば、上司と1対1の面接による目標設定や達成度チェックを実施し、他方では部下による上司のキャリアサポート・チェックなどを行っており、全員が常に『現時点で何をすべきか』を意識し、向上心を燃やしているのです」(三邉氏)
  また、休憩スペースにお菓子やドリンクを備え、部門やチーム間を越えて社員たちが交流を図る“Happy Wednesday”や、成績優秀者に対して、本社のトップマネジメント層が来日した際に食事会を催すなどのインセンティブ施策を実施。ロイヤリティの向上とモチベーションアップを図っています。
  「宮崎カスタマーセンターでは、お客様からの感謝のお手紙やメールを掲示しています。また1周年記念パーティーには、従業員とそのご家族を招待しました。これは、ご家族の理解や支援に敬意を表し、いつも最大限のホスピタリティでお客様に対応してもらいたい、という気持ちの表れでもあります」(三邉氏)
  いかに優れた教育研修も、実際の現場を担う人たちの精神的な充実や意識の充足がなければ「仏造って魂入れず」であり、十全の効果を発揮することはできません。確固とした人財観を有したデルでは、人を育てることを重要課題とし、着実に強化推進しているのです。
  宮崎カスタマーセンターでは、さらに未履修者への研修を進め、同時にセールス・レップの指導やサポート、教育やカウンセリングなどを行うスーパーバイザーや、マネジメント層に対しても、外部教育の機会を広げたいとしています。グローバルナレッジは、お客様満足をさらに拡大する組織として、全体的なスキルアップに取り組む宮崎カスタマーセンターの皆様とともに、今後ともデル様の定評あるお客様満足促進姿勢を支える人財づくりをお手伝いしていきたいと考えています。


「インバウンドSales on Phone研修」の流れとアクション・ラーニングの概要
「インバウンドSales on Phone研修」の流れとアクション・ラーニングの概要



高橋俊樹 グローバルナレッジ人材教育コンサルタント
■講師から一言■
  デル様のコミュニケーション・スキル研修では、気軽に参加することができ、効果的に研修の目的を達成できるよう配慮しました。
  2 回の研修の間に1 ヶ月間のOJT期間を挟む研修スタイルの意図は、1回目の研修で得た知識・スキルを実践し、スキルの定着を図るためです。
  この研修には「気づき」「ふりかえり」「お互いのフィードバック」「新たな考えやスキルの修得」の4 点が含まれています。そのため、一方的な講義は避け、双方向で進めるように留意しました。特に、同じ職場でもひとりひとりが工夫している点はさまざまでしたので、お互いに共有できる場も設けました。
  また、敬語など電話応対に必要な基本の再確認に加え、学習内容がイメージしやすく、かつ、すぐに業務で役立てられるよう実際にデル様であった事例をベースに考えたり、体験したりする演習を数多く取り入れました。

  皆さん、積極的に楽しみながら研修に取り組まれ、現状の把握・新たなスキル・考え方を学び、カスタマーセンターにおけるコミュニケーション・スキルの重要性に気づかれたようです。

(高橋俊樹●グローバルナレッジ人材教育コンサルタント)



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