ブックタイトルDigest_2017_SpringSummer

概要

Digest_2017_SpringSummer

K:もし、まだクラウドが良くわからないのであれば、すぐにでも「クラウドとは？」を理解してメリットを感じて欲しいですね。M:クラウドを活用するには、発想を変えることが重要です。今まではハードウェアを入れて、監視をしっかり、故障があったらすぐなおす、という考えで仕事をしてきた方が多いと思うのですが、クラウドは壊れたら捨てよう、なので、考え方が大きく違います。そのため、まずはWebの3階層構造をしっかり理解することが大事だと感じています。「コンポーネントに分ける」という基本の考え方を押さえておくとクラウドに切り替えやすいのではないでしょうか。K:ある程度クラウドを使っている人であれば、自動化や効率化の手法、スクリプトを書けるようになるとよいです。Y:問題があった時に自動的に対応できるのがクラウドのメリットなので、運用保守もスクリプト化して自動化すべきです。K:そうなると、インフラの人もクラウドのAPIに関する知識と、コードを書くスキルが必要になりますね。M:LinuxのBashシェル、WindowsのPowerShellなど、OSが持っているスクリプト言語から入ると親和性が高いのではないでしょうか。Y:あとは認証が大事です。クラウドを使うユーザーは社内にいるので、企業ユーザーは会社の中のシステムと外部の別のシステムとの認証が必要です。それをどう解決するのかをしっかり考えないといけません。I:セキュリティ上の問題を考えるとクラウドサービスのID／パスワードの管理は大きな課題であり、利用者の負担を考えるとシングルサインオンが理想ですね。K:エンジニアの方は、クラウドデザインパターンをしっかり理解することも重要ですね。Y:クラウドはどんどん変わっていくので、SIerが他社と差別化するには、各社のクラウドデザインパターンを含めた特徴を把握して、さらにアップデートしないと負けてしまうと思います。K:運用の仕事もかなり変わりますね。エンジニアはシステムがどう使われているかをモニタリングして、経営へビジネスへの影響を含めたレベルで提言するなどの動きも必要になってくるでしょう。Y:そうですね。運用コストを下げることも考えないといけません。技術力だけではダメで、お客様の課題をヒアリングできて、それに対してソリューションを提案・交渉するスキルが必要になりますね。M:ただし、現状を見据えると、すべてをなげうってクラウド化するのは非現実的です。ここ数年はオンプレミスとクラウドを併用するハイブリッド構成が一般的になるのではないでしょうか。そうすると、今の仕事もなくなるわけではないですよね？Y:確かに今までのインフラのスキルも重要であることは間違いありませんが、変化は必要です。例えば、会社のデータがクラウドに置かれるようになると、これまでのような拠点間リンクではなく、各拠点からインターネットへのアクセスが増えます。そうすると、ネットワークの設定を見直す必要が出てきます。インフラエンジニア、開発エンジニア、ネットワークエンジニア、全部変化が必要だと思います。I:セキュリティのスキルも普遍的です。Security By Design（情報セキュリティを企画・設計段階から確保）の通り、何か目的のために必要なのがセキュリティ。クラウドだからオンプレミスだからというのは本質ではありません。むしろクラウドを教材に自組織のセキュリティを見直すことは効果があると思います。M:私から皆さんに伝えたいのは、新しいものを楽しもう！ということですね。最近、AWSを良くさわっているのですが、新しい機能がどんどん出てきて、「こんなことができるようになった」「こういう機能を組み合わせたらできるかも」と考えるのを楽しめないと辛いのかなと思います。I:特に外資系のSIerでは、本社のビジネス変化が速く、配置転換により新たなチャレンジを迫られているエンジニアも増えていると思います。大変なこともあると思いますが、むしろ今後伸びていく技術エリアに携われることはエンジニアとしても市場価値が上がるので、チャンスととらえ積極的に知見を高めるべきでしょう。K:クラウド化を阻む理由として、「セキュリティ」と「知識不足」がよくあげられます。勉強すれば役に立つのがクラウドです。クラウド化した方が便利になることも多いので、もっと活用して行って欲しいですね。古賀　聖人ラーニングサービス本部ラーニングサービス第１部三浦　美緒ラーニングサービス本部ラーニングサービス第１部井田　潤ラーニングサービス本部ラーニングサービス第２部＜クラウド時代を勝ち抜くためにエンジニアに必要なスキル＞クラウドの浸透により、エンジニアに求められるスキルも変わってきそうですね。これから、どのようなスキルを身につけるべきでしょうか。クラウド導入トレーニングソリューション　P.1411巻頭特集／各種サービスＩＴトレーニングビジネストレーニングベンダートレーニング会社案内