ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Digest_2017_SpringSummer

現場のエンジニアのニーズをいち早く察知し、常にキャッチアップすることが求められるグローバルナレッジの講師陣。目まぐるしく変化するビジネス環境の中、エンジニアはどのような方向にスキルを伸ばしていくべきでしょうか。人気講師4名が、座談会形式で語ります。「クラウド時代」をどう勝ち抜く?古賀(以下K):総務省の平成28年版情報通信白書では、一部でもクラウドサービスを利用していると回答した企業の割合は44.6%で、2014年から2015年にかけて5.9ポイント上昇しています。2016年はもっと進んでいると思いますが、どうでしょうか。山本(以下Y):進んでいると思いますが、企業や担当者によってかなりの温度差を感じます。三浦(以下M):確かに、2016年はAmazon WebServices (AWS)の受講者が非常に増えましたが、受講に来る方には温度差があります。現場の課題を質問リストとして携えてくる方もいるし、まだ調査段階ということで演習が終わったらのんびりしている方も。Y:今までのSIは数か月かけてヒアリングして、数か月かけて構築し、減価償却しながら何年も使い続けないといけないというビジネスモデル。買った後に新機能や新技術が出てきても中々アップデートできません。それに対し、クラウドは、必要な時に新しいものをすぐに調達できます。ビジネスの要求に迅速に対応するためにはクラウド化は必須でしょう。井田(以下I):以前はオンプレミスとクラウドを比較した場合、長期的に見るとオンプレミスの方がコストで有利な面もありましたが、これだけ短い間にクラウドの低価格化、サービスのライフサイクルの短期化が進むと、あえてオンプレミスを選ぶ理由が少なくなっているのでないでしょうか。Y:最近は、PaaSやSaaSでさまざまなサービスが提供されていますし、今後はありものをうまく組み合わせてスピードアップを図る方向に進むのではないかと考えています。M:クラウドの浸透とともに、IT企業とユーザー企業の役割分担も変わってきていると感じます。私はLinuxのコースを担当していますが、最近は、ユーザー企業の情シス部門の方が増えています。クラウド環境で仮想マシンがLinuxだから、というケースも多いのですが、お話を聞いていると、ユーザー企業の方もSIerに丸投げするのではなく、積極的にITを活用しようとされていますね。K:そうですね。ユーザー企業とIT企業(エンジニア)の壁は無くなってきているし、ユーザー企業がやりたいことを最適な形で実現するためにも、またSIerがそのためのIT基盤を提供するためにも、壁は無くしていった方がよいと思います。M:今のクラウドサービスは様々な情報が公開されているので、ユーザーが直接勉強して調達し、使えるようになっています。そうするとSIerに求められることは変わってきますよね。K:確かに、ユーザー企業のレベルが上がれば、SIerにはもっと高度なことを要求するようになるでしょう。ユーザーはビジネスが中心にあって、それに沿ってシステムが柔軟に変わる方が望ましいわけです。そのため、ユーザー側からクラウドを使いたいという要望が出てきたときにSIerはITの専門家としてどのようなアドバイスができるのかが大事なのではないでしょうか。I:セキュリティはユーザー環境や業務に依存するのでSIerが適切なアドバイスを行うには色々工夫が必要です。日ごろからのコミュニケーションや信頼関係も重要でしょうね。ユーザー側もセキュリティの専門家ばかりではありませんので必要時に専門家の適切なアドバイスが貰えるようであれば嬉しいと思います。山本 晃営業本部 営業第2部 部長Product Manager 兼任<クラウドの浸透・ユーザー企業とSIerの関係の変化>今から2年半前、2014年秋冬号のカタログで「クラウドファースト」時代、クラウド人材をどう育てる?という特集を掲載しました。実際、現場ではクラウド化が進んでいるのでしょうか。10